ワークステーションとは?
ワークステーションという言葉を聞いて、どのようなPCを思い浮かべるだろうか。一般的には、科学技術計算や3DCG制作といった分野で使われるプロフェッショナル向けPC、というイメージを持つ人が多いだろう。
では、PCメーカー側はどのように定義しているのだろうか。代表的なワークステーションベンダーの一社、レノボ・ジャパン(以下、レノボ)では「≒ ハイスペックPC」と定義していると言う。つまり、一般的な仕事をしている人にとっては「ハイスペックPC」であり、プロとして仕事をしている人には「プロフェッショナル向けPC」ということだ。通常のハイスペックPCとの大きな違いは、"ISV認証"を取得している点。プロフェッショナル向けソフトウェアの動作を保証していることがワークステーションのワークステーションたる所以である。
実は昨今、テレワークの普及とともにレノボの法人専用ストア『LenovoPRO』では、ワークステーションを購入する人が増えているという。本稿ではその理由の考察とともに、同社のワークステーションをジャンル別に紹介したい。
コロナ禍でわかったPCスペックの重要性
2020年の新型コロナウイルス感染症流行によって、多くの企業はテレワークを余儀なくされた。テレワーク環境を整えるためにビジネス向けノートPCが売れ、それを使って多くの人がテレワークを行った。しかし、約1年のテレワーク期間を経て見えてきた点がある。それは、これまで標準とされていたスペックでは人によっては満足なテレワーク環境が得られない場合がある、ということだ。
テレワークでは多くの場合、「Zoom」や「Teams」といったWeb会議ソフトが使用される。これらのソフトはバージョンアップによって仮想背景や背景の加工機能が搭載された。個人のプライバシーを守るという観点から見て非常にありがたい機能だが、実はスペックがシステム要件を満たしていないとこの機能は利用できなかったり、非常に動作が重くなったりする。
つまり、多くの企業やビジネスパーソンは「テレワークの生産性を向上させるには、ハイスペックPCが必要」と気づき始めたのだ。
もちろんLenovoPROでは「ThinkPad X1 Carbon」をはじめとした様々なノートPCを取り扱っており、必要に応じて構成を変更できる。しかし、昨今のCPUやグラフィックスカードといったPCパーツの進化によってワークステーションの価格が下がり、サイズも小型化。これに目を付けた企業や個人ユーザーが、テレワーク用のPCとしてワークステーションを購入する例が増えてきているという背景があるそうだ。
レノボの担当者に聞くワークステーションの魅力
ここからは、レノボで実際に製品の販売に携わる方に話を聞いてみたい。今回インタビューしたのは、レノボ・ジャパン WS & クライアントAI事業部 SMB BDMマネジャーの大竹 佳奈さんだ。
──昨今、ワークステーションに注目が集まっているという話を聞きました。実際にお客様のご相談を受ける立場として、ご感想をお聞かせください。
大竹:新型コロナウイルス感染症の流行を受けたテレワークの普及によってWeb会議が増えました。Web会議ではCPUだけでなくGPUの性能を求められますので、日常の業務を快適にできるようにワークステーション製品をお選びいただく例が増えたのではないかと考えます。
プロフェッショナルの分野で見ますと、これまで会社以外ではあまり作業ができないと思われていた分野で導入が進んでいるようです。たとえば、フリーアドレスとモバイルワークステーションを組み合わせて社内の環境を変えつつ、テレワークに移行したという事例もありました。
また、ワークステーション自体も価格の幅が広がり、比較的安価なモデルも増えました。CPUやGPU、ストレージの進化によって小型化も進み、自宅でも利用しやすくなっています。これもワークステーションを選ぶ人が増えてきた理由の1つでしょう。
──ワークステーションを手にしたお客様の反応はいかがですか?
大竹:実際に納品した際には「見た目は普通のPCと同じなんだ」という声を聞きますね。ワークステーションは一般的なPCと異なるという固定概念を持たれがちです。もちろんISV認証を取得しているという違いはありますが、外見上、使われているパーツは大きく変わりません。ハイスペックPCとニアリーイコールとお考えいただければと思います。
いざテレワークを始めてみて、標準的なビジネスPCでは性能不足と感じた方は多いようです。メールやチャット、Web会議といったコミュニケーションツールとともに文書作成、表計算、プレゼンテーション用のOfficeソフトを平行して利用する機会も増えています。さらに専門職の方であれば3DCGや3DCAD、映像編集、金融や解析、医療などのソフトも自宅で利用しなければなりません。
テレワーク時代に生産性を向上させるためには、複数のアプリを常に起動しておき、素早い対応を行うことが重要です。これによってメモリへの要求も増えますし、マルチディスプレイ環境を構築すればそれもPCの負荷となります。よりハイスペックなPCを求める流れは必然でした。
──ワークステーションを利用するメリットや、レノボの強みについて教えてください。
大竹:最大のメリットは、やはり基本的な性能の高さ、そしてISV認証を取得していることから来る安定性と互換性の高さです。この性能をうまくテレワークに適用することで、自宅でも快適なビジネスワーク、プロフェッショナルワークが行えます。
ThinkPadブランドのこだわりにも注目してほしいと思います。人間工学に基づいたキーボードは長年高い評価をいただいていますし、サーマルテクノロジーを駆使した冷却性能の高さと静音性は故障率の低さにも貢献します。日常的にPCを利用されるビジネスユーザーに大変信頼いただいている部分だと思います。
レノボのPC開発拠点のうち、ThinkPad開発の中心となっているのが、IBM時代から引き継がれてきた日本の大和研究所です。ThinkPadには「信頼される品質」「親しみやすさ」「先進性」という一貫した開発哲学があります。お客様の仕事を止めないよう、キーボード設計から、ファンの羽の構造にまで気を配っています。
あと、レノボのワークステーションの特徴のひとつが、AMDモデルをご用意していることです。CPUはインテルとAMDで、それぞれ価格や性能などの面で特徴があります。幅広いラインアップから選べることもレノボの強みです。
イチオシモデルで最強のテレワーク環境を作ろう!
──ここからは大竹さんにワークステーションのラインアップをご紹介いただきたいと思います。まず、初めてワークステーションを使う、という方におススメの機種を教えてください。
大竹:一般的なビジネス用途で、テレワークを快適にするノートPCをお考えであれば、14型のモバイルワークステーション「ThinkPad P14s AMD」をおススメしたいと思います。高いグラフィックス処理性能を持ちながらも、一般的なモバイルノートのサイズ感を実現したモデルですので、違和感なくご利用いただけると思います。プライス面でもかなりがんばりまして、モバイルワークステーションでありながらLenovoPROでは10万円前後の構成からご用意しておりますので、法人の方も導入しやすいのではないでしょうか。
デスクトップPCをお考えであれば、世界最小のデスクトップワークステーションを自負している「ThinkStation P340 Tiny」がおススメです。コンパクトな1Lサイズでありながらも「NVIDIA Quadro P620・P1000」を搭載した、これまでにないワークステーションです。モニターの背面に取り付けて、一体型PCのように利用することも出来ます。このTinyシリーズの一部のモデルはNECのPC製造ラインを使用し、国内製造を行っています。そのため最短で5営業日にて納品できます。
──より高い性能を求める方へのおススメはいかがですか?
大竹:医療系のデジタルイメージングや、製造・建築系の3DCADなどを利用される方には、15.6型モバイルワークステーション「ThinkPad P1 Gen 3」をおススメします。CPUに「インテル Xeon W プロセッサー」を選択でき、GPUに「NVIDIA Quadro T1000 ・T2000」を搭載しています。3D画像処理をより快適にし、構造解析なども行えます。
デスクトップPCでは、「ThinkStation P520c」。医療や金融、3DCG、3DCAD、4K動画、VRなどに対応できる高い性能を備え、最大18コアの「インテル Xeon W プロセッサー」を選択できます。GPUも「NVIDIA Quadro P400」から「NVIDIA Quadro RTX 5000」まで幅広く選ぶことが可能です。他社にはないコストパフォーマンスの高さもウリのひとつです。
──高度な専門性を必要とするプロ向けハイエンドモデルは?
大竹:15.6型モバイルワークステーション「ThinkPad P15」ですね。「インテル Xeon W プロセッサー」が搭載できるのはもちろんのこと、ハイエンドGPU「NVIDIA Quadro RTX 5000」を選択することも可能です。モバイルワークステーションの中でも圧倒的な3Dグラフィックス処理能力を備えたモデルです。
「ThinkStation P620」は、筐体と冷却性能に余裕があるデスクトップPCだからこそできる、圧倒的な処理能力を備えています。64コアCPU「AMD Ryzen Threadripper PRO 3995WX」を選択でき、金融トレーディングから高度な解析、動画編集、最新の3DCGまで対応可能です。将棋棋士の藤井聡太さんもこれと同系統のコンシューマ向けCPU「AMD Ryzen Threadripper 3990X」を搭載した自作PCを組んでいましたね。
──ありがとうございます。あと、テレワークの普及といえば、周辺機器にも注目が集まっていると思います。ご紹介いただいたワークステーションとの組み合わせでおススメの周辺機器はありますか?
大竹:ワークステーションの性能を活かすために、マルチモニター環境はぜひ構築してほしいと思います。27型モニター「ThinkVision P27h-20」はWQHD(2560x1440ドット)という高解像度とsRGB 99%の色域を備え、USB Type-C接続やデイジーチェーン機能による複数のモニター同士の接続も可能なモデルです。狭額縁なので複数台設置しても違和感がないでしょう。
あと、モバイルワークステーションを利用される方には、14型モバイルモニター「ThinkVision M14t」を使ってみていただきたいですね。フルHD(1920×1080ドット)の解像度と視野角の広いIPS液晶を採用しています。3辺狭額縁デザインで自立し、USBケーブル1本で給電と画面出力に対応するため、ACアダプターなしで利用できます。マルチタッチ対応で、指でもペンでも操作可能です。レノボの14型ノートPCのモニターとほぼ同じサイズで、角度もかなり自由に変えられますので、どこでも快適なマルチモニター環境を作れます。
モニター以外だと、持ち運びが多い方は、自宅や会社などの拠点ごとに「ThinkPad Thunderbolt 3 Workstation ドック」をご用意いただくと良いかもしれません。マウスや外付けキーボード、外部ストレージ、有線LAN、マルチディスプレイ環境などをその都度接続し直すのは大変ですが、このドックがあればケーブル一本ですぐに接続できます。
ワークステーションでテレワークの働き方改革を
ワークステーションは、テレワークの環境を快適にできるハイスペックPC群だ。今回紹介したモデルのなかにはエントリーモデルも含まれるが、これすら一般的なPCのなかではハイエンド並の構成になる。ワークステーションを選ぶ時点でその性能は約束されているため、PCの選択がわかりやすくなるというメリットもあるだろう。
日本でもテレワークの導入はますます加速していくだろう。オフィスという枠を越えた新しい働き方が進むいま、生産性を向上させるためには、これまでとは異なる視点で環境構築を考えなければならない。ワークステーションの導入は、そんな「働き方改革」のひとつの解でもあるかもしれない。
LenovoPROでは、そんな法人に向けて、専用のチャンネルを設けている。1ユーザーに対して1人の専任担当者がつき、その会社の規模や業態、PC導入の目的に合わせて最適なプランを提案してくれるのが特徴だ。興味を持った方は是非LenovoPROに相談してみてほしい。
LenovoPRO
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